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丈夫で長持ち! おなじみ大福帳の原料となっていたのはなんと水戸藩の紙
常陸大宮市ホームページより転載
五介和紙
常陸大宮市ホームページより転載
紙のさと
正確に言うと水戸市ではなく、茨城県常陸大宮市の旧・山方町域で作られていた紙なのですが、全国的に「水戸藩の西ノ内紙」として知られていたので、ご紹介いたします。
西の内紙はコウゾのみを原料として漉かれた紙で、とても丈夫な紙質で保存性がよかったことで有名になった紙です。
徳川光圀は水戸藩で紙の増産を命じて、コウゾなどの紙の材料を盛んに植えさせたのです。
その中で最も有名になったのが旧・山方町域で作られた西ノ内紙で、その丈夫な材質から水府提灯や江戸の商人たちが持っている大福帳として使われたのでした。
江戸の商人というと腰に大福帳を下げた姿が浮かぶと思いますが、その大福帳は水戸藩が生産した西ノ内紙がもっともよく使われていたのです。
水に濡れても墨がにじまない西ノ内紙は、海岸や運河や雨の日などいろいろな場面で使用される大福帳にはぴったりだったのですね。
特に江戸は火事が多かったことで有名ですが、商家では紐をつけた大福帳を井戸に投げ入れたのです。
そしてあとで回収しても乾かせば一枚一枚がちゃんと剥がれ、水にもにじまなかったといいます。
まさに質実剛健な水戸の藩風をよく表していますね。