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新田宮抜刀術を対をなす幕末もっとも流行した活人剣
北辰一刀流は幕末期に日本で最も有名な剣術で剣聖千葉周作が創始した剣術です。1822年(文政5年)に日本橋品川町に建てられた北辰一刀流の道場の玄武館は、練兵館(神道無念流)、士学館(鏡新明智流)とともに幕末江戸三大道場として名高く、その中でももっとも著名な道場でした。
竹刀と防具を用いた打ち込み稽古を中心にして鍛錬するこの流派は、木刀や鮫肌竹刀などで打ち合っていた当時の剣術の中では大変合理的で怪我人なども少なく、多くの人が気軽に学べる武術となりました。北辰一刀流はこのような合理的な剣術であり、現代剣道を築いた流派と言われています。
その創始者である千葉周作は1839年(天保10年)に水戸藩藩主の徳川斉昭の招きを受けて、剣術師範となり、馬廻役として100石の扶持を受けています。現在でも水戸の東武館では千葉周作直系の北辰一刀流を学ぶことができます。
「それ剣は瞬速、心、気、力の一致」と残した心技体の充実を目的とした北辰一刀流は、現在の剣道の基礎を作ったものであり、まさに活人剣の一つの完成形と言えるでしょう。
事実、坂本龍馬や藤堂平助や山南敬介など、多くの幕末の志士たちが北辰一刀流を学んでいます。
幕末水戸藩では活人剣の典型である北辰一刀流と殺人剣の典型である新田宮抜刀術が両立していたところに、日本の武道史では注目されている地域なのでした。
住所 | 310-0011 茨城県水戸市水戸市北見町2-15 |
アクセス | JR水戸駅北口より徒歩13分 |
ホームページ | http://www.toubukan.or.jp/ |